結論 — 足首の曲がりは、3分で測れます
足首の曲がり(背屈)は、壁と巻尺だけで測れます。見るのは2つです。膝のお皿が壁につくか。そして、左右で差があるか。
捻挫をした選手、しゃがむとかかとが浮く選手、ダッシュで足首が詰まる感じがする選手は、一度やってみてください。この記事では、やり方と、見方、研究で分かっていることをまとめます。
この記事のポイント
- つま先を壁から約10cm離して、片膝立ちになります
- かかとを床につけたまま、膝のお皿を壁につけます
- 数字で残すなら、膝が壁につく最大の距離(つま先から壁まで)を左右で比べます。差が1.5cm以内なら、測り方のぶれの範囲です
動画で確認
やり方は、動画(約20秒)でも確認できます。
準備するもの
- まっすぐな壁
- 巻尺(なければ定規でもOK)
- 動きやすい服装
- 床がすべらない場所(靴下かはだし)
先に確認 — こんなときは、やらないでください
次のどれかに当てはまるときは、測らずに、医療機関に相談してください。
捻挫したばかりで、腫れや強い痛みがある。足首の前側に、詰まるような痛みが出る。しびれがある。
やり方 — 3ステップ
STEP 1:つま先を、壁から約10cm離す
壁の前で片膝立ちになります。前に出した足のつま先を、巻尺で測って、壁から約10cmにします。つま先と膝は、同じ向き(正面)にそろえます。

STEP 2:かかとは床につけたまま、膝のお皿を壁へ
かかとを浮かさずに、膝のお皿を壁に近づけます。無理に押し込まないでください。壁に触れたら、そこで止めます。

STEP 3:左右を比べる
反対の足でも、同じようにやります。どちらが壁につきやすいか、かかとが浮いたかを、メモしてください。

よくあるつまずき
- かかとが浮く:壁との距離を、少し近づけて、やり直します
- 膝が内側に入る:つま先と膝を、同じ向きにそろえ直します
- 腰が反る:胸を張りすぎず、体をまっすぐにします
結果の見方
見るところは、次の4つです。
- かかとが浮かずに、お皿が壁につくか
- つま先と膝が、正面のままか
- 左右で、差がないか
- 痛みが出ていないか
数字で残すなら
壁につくか、つかないかだけでなく、「つま先から壁まで、どこまで離せるか」を測ると、差が数字になります。かかとを浮かさず、膝が壁につく最大の距離を、巻尺で測ってください。距離が大きいほど、足首がよく曲がっています。この距離を左右で比べて、差が1.5cm以内なら、測り方のぶれの範囲です(根拠は「研究で分かっていること」)。10cmの位置で片方だけ壁につかないときは、この距離を測って、差を確かめてください。10cmは、研究で決まった合格ラインではありません。始める位置の目安です。
測っただけで、足首が変わるわけではありません。今日の数字をメモして、1か月後にもう一度測って、比べてください。
研究で分かっていること
この測り方は、研究では「体重負荷ランジテスト(weight-bearing lunge test)」と呼ばれています。信頼性と、怪我との関係について、確かめられていることを整理します。
測り方としての信頼性は高いです。
足首の曲がりを、壁までの距離で測る方法について、同じ人を数週間あけて測り直した研究では、一致の度合い(ICC)が0.93〜0.99でした(対象37名)。測り方によるぶれの大きさ(最小可検変化量)は、左右の距離の差で約1.5cmでした(※1)。12本の研究をまとめたレビューでも、信頼性は良好と結論づけられています。ぶれの大きさは、約1.6〜1.9cmと報告されています(※2)。
つまり、左右の距離の差が1.5cmより小さいときは、「差がある」とは言い切れません。
足首の曲がりが小さいことと、膝の腱の痛みの関係が報告されています。
ジュニアのバスケットボール選手75名を1年間追った研究では、12名(16%)が膝のお皿の下の腱の痛み(膝蓋腱症)を発症しました。発症した選手は、最初の測定で、足首の曲がりが平均で約5度小さい傾向がありました(※3)。
ただし、これはバスケットボール選手の研究です。サッカー選手での確認ではありません。また、足首の曲がりを広げれば、予防できると示した研究でもありません。
まとめ — 今日、左右を測ってみてください
- 足首の曲がりは、壁と巻尺で測れます
- つま先を壁から約10cm、かかとは床につけたまま、お皿を壁につけます
- 壁につく最大の距離を左右で比べて、差が1.5cm以内なら、測り方のぶれの範囲です
- 痛みが出たら、すぐやめます
まず、今日、左右を1回ずつ測って、数字をメモしてください。
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※ ご質問だけでも歓迎です。「足首のことで聞きたい」と一言お送りください。
執筆:まつ
柔道整復師/サッカートレーナー。高校サッカー部で13年、選手の体づくり・怪我の予防に携わっています。
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参考文献・資料
※1 Chisholm MD, Birmingham TB, Brown J, MacDermid J, Chesworth BM. Reliability and validity of a weight-bearing measure of ankle dorsiflexion range of motion. Physiotherapy Canada. 2012;64(4):347-355. doi:10.3138/ptc.2011-41
※2 Powden CJ, Hoch JM, Hoch MC. Reliability and minimal detectable change of the weight-bearing lunge test: A systematic review. Manual Therapy. 2015;20(4):524-532. doi:10.1016/j.math.2015.01.004
※3 Backman LJ, Danielson P. Low range of ankle dorsiflexion predisposes for patellar tendinopathy in junior elite basketball players: a 1-year prospective study. The American Journal of Sports Medicine. 2011;39(12):2626-2633. doi:10.1177/0363546511420552
この記事は、診断や治療を目的としたものではありません。痛みが続く、腫れている、しびれがあるなどの場合は、自己判断せず、医療機関を受診してください。

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